栩野浩さん

  • 重度アレルギー児の親です。
    子供が小さいころは、炊飯器をスーツケースに入れて家族旅行に行ったものです。
    縁あって、平成19年から沖縄県久米島町の観光振興に関わらせて頂き、食物アレルギーに対応した旅行を開発・事業化しました。
    その後自ら旅行業免許を取り旅行会社を運営し、これまでに、沖縄本島、南紀白浜、浜松、鋸南町(千葉)等でアレルギー対応旅行を実現しています。
    アレルギー対応旅行のQOLトラベルHP:http://qoltravel.net/
    アレルギー対応旅行のQOLトラベルFacebookページ:https://www.facebook.com/qoltravel/?fref=ts

    • 栩野浩さんに2016年6月24日にインタビューした内容をまとめました(筆責 上坂)。

    まず、栩野さんが現在されているアレルギー関連のビジネスについてお聞きしました。

    • 私たちのビジネスは、
      1.顧客側に対することで、アレルギー家族の旅行を実現するQOLトラベル。
      2.受け入れ側に対することで、アレルギー児を受け入れるホテル・レストランのノウハウを支援する沖縄サポートデスク。
      の2つです。

    次に、こういったビジネスを始められたきっかけは何でしょうか

    • もともと自分の子どもが重度アレルギーで、アレルギーに関するビジネスがあるだろうと昔からぼやっと思っていらっしゃったとのこと。
      小麦がだめで、麺類が全部だめだった。そのときの主治医から食育という意味もあるので、代替の食事でもいいから、子供には食事は楽しませろと言われていました。
      稗とか粟で作った麺がいまだにありますが、こういうのを家でずっと使っていた。
      ところが15年前くらいに、使っていた粟麺が製造中止になった。どうしてこんないい製品が製造中止になるだろう。
      ニーズはあるのに製造をやめちゃうというのは、結局売れなかったということだろうと、メーカー(P&G)出身としてはわかるわけです。
      つぶつぶのニーズがまとまっていないからだろう。
      ということはそこにビジネスのチャンスがあるのではないかと思いました。

    そのビジネスのチャンスに出会ったのは、どんなきっかけからですか。

    • Evolutionというマーケティング支援の会社を経営する中で、久米島のまち起こしにかかわることになりました。
      離島ですから、どうしても国の補助金をもらう事業を考えるわけですが、立派な病院があることを活かして、他ではやっていないことを考えようということで、アレルギー対応旅行の受け入れ事業を提案し、許可を得ることができました。

    はじめてということで、ご苦労があったのではないかと推察しますが。

    • おそらく世界でも初めてのことではなかったかと思います。
      アレルギー対応の料理を提供するレストランというのはありますが、ツアーとしての受け入れのためには、地域としての連携体制が整備される必要があるからです。
      顧客対応は観光協会の女性が受け持ってくれました。事故のないようにということで、安全第一と考えていましたが、ツアー参加者は当然のことながら旅行としての楽しさを求めているわけで、当初は怒られることがありました。
      そういったクレームや参加者の要望、受け入れる事業者の意向をお聞きしていく中で、次第に満足度の高いツアーが提供できるようになったと考えています。
      久米島での経験が沖縄本島でのツアーにつながっています。

    QOLトラベルではアレルギーっ子の笑顔を支える5つの柱をあげられていますね。

    • 1.専任の事前相談員
    • 2.朝・昼・夕、10品目完全除去の食事
    • 3.レストランでの誤配の防止
    • 4.宿泊環境の整備
    • 5.旅行中の緊急時への備え
    • 最初は2と5しか無かった。
      実際には1が一番重要です。
      アレルギーっ子の親の心情を理解したうえで、観光の対応をしなければならない。
      アレルギー対応ツアーは大手の旅行代理店では絶対に無理だと思っています。
      できるだけ手間をかけずにツアーを成立させるのが、利益構造ですから、QOLトラベルのように手間をかけていたのではビジネスとして成立しないからです。

    ツアーを開拓していく上での秘訣はどんなところにありますか。

    • 何より、ツアーを成功させよう、参加者に楽しんでもらおうという熱い想いをTOPから現場まで共有できるかどうか、組織がちゃんとしているかどうかだと思っています。
      地域内でのつながりも、とても貴重です。
      そのことがお客様に感動を呼びます。
      毎回、泣き出してしまうお母さんがいらっしゃいます。
      アレルギーのお子さんを抱えているということは、本当に大変なことで、ホテルに予約を入れようとして電話しても、アレルギー対応をお願いしたとたんに、満室ですと言われたり。
      そんな思いを抱えていらっしゃるので、心からのおもてなしを受けたことで、感動して涙を流されたのだと思います。
      沖縄ツーリストのTOPとの出会いがツアーの提供につながりました。
      沖縄ツーリストというのは全国に支店があるのですが、お世話になった東京支店の担当者が北海道に転勤になったこともあって、北海道でのツアーも検討しようということになっています。

    今後の展開はどのようにお考えですか。

    • 全国の主な観光地に広げていきたいと考えています。そのためには人との出会いを何よりも大切にしていきたいと考えています。次回は石垣島へのツアーを準備中です。京都も現在、検討中です。

    あすぷろ実行委員会でやりたいことは?

    • 発信力の強化です。アレルギー対応旅行のことを世の中事にしていきたい。そのためにもアレルギーに悩む方々のつながりを大切にしていきたい。そして情報発信力を相乗的に高めていきたいと考えています。想いを共有する実行委員の方々をこれからも増やしていきたいですね。