第4回

大変なストレッチャー装着

  • プライオリティ・ゲストサポートにとって、手配の大変なのが、ストレッチャーです。
    ストレッチャーというのは座席への着席が困難な怪我人や病人を搬送するための簡易ベッドで、ストレッチャー装着のスペースはエコノミー席の6~9席の背もたれを倒して、その上に整備士が装着します。

    装着に2時間くらいかかるので、前日の最終便と始発の間で行うこととなり、1日の5~6区間つけたままになります。
    また、ご利用後は消毒や破損チェックのため3、4日使用できません。
    ストレッチャーの在庫は羽田と成田に置いてあります。
    主要空港には装着できる整備士がいますが、地方の小さい空港では装着のできる整備士が限られるので、シフトの調整なども必要な場合があります。

    原則として1カ月位前に飛行機の機体のスケジュールが決まるので、それからの調整となるとのことでした

    ストレッチャーでの対応は長らくJALの得意とするところでした。
    JALには心臓移植などのための搬送も行ってきた歴史があります。
    医療関係者のあつい信頼を得ていることに、納得です。

    *ストレッチャーの利用料金は、国内線で羽田から札幌では約5万円、国際線はおおよそ大人片道エコノミークラス普通料金の約2倍となります。
    またご搭乗になる方の航空券が別途必要です。

ストレッチャー利用の実際のお話

  • 井上理恵さんのお話では、3日前には意識のあまりない方が、ご家族と一緒に羽田から千歳まで転院のため搭乗されたそうです。
    ご家族と搭乗の約1か月前から空港でのご案内方法など話し合い、調整を進められたそうです。
    搭乗後、「無事病院に到着しました。ありがとうございました。」と、お礼の電話をいただいたそうで、それは苦労が報われた一瞬です。

    これは少し前の話ですが、北海道から羽田まで東京ディズニーランドに、行けなかった高校の修学旅行の代わりの卒業旅行として、2組搭乗されたそうです。
    名古屋のチックトラベルセンターという専門の旅行代理店のお客さまで、この旅行代理店は介護タクシーの手当てなどを含め、きめ細かな対応をされているとのことでした。

    本年9月に2件の修学旅行でストレッチャーのリクエストが入っていますが、通常1か月前の対応のところを、実現のために路線計画の人たちに特別に協力をいただくことで、早くからスケジュールを抑えることができたそうです。