第71回

波瀾だった過去・71(ピンクの蜘蛛)

LIVEのセッションを見て感動した私は
​​​​​何から手をつけたらいいかわからなかったけど
人生の復活を自分に誓った


”もう一度・・・
もう一度人生をやり直す!”



そう誓いながら
大好きな大好きな曲を
私は思い出した


iPodに入れて
本当に毎日のように聴いている曲だけど
改めて歌詞を読み直し
私はその曲をいつも以上に
強い気持ちで聞き入った





狭い狭い

小さな世界を全てだと思っていた
そんな蜘蛛の話


空高く飛べない蜘蛛は
蝶の羽を借りて飛ぼうとするけど
失敗する


ピンク スパイダー 「もうダメだ」
ピンク スパイダー 「空は見えるのに…」
ピンク スパイダー 「失敗だぁ」
ピンク スパイダー 「翼が欲しい…」



まるで私のようなピンクの蜘蛛


でもその蜘蛛は
今度は自分のジェットで飛ぼうとする



「もう一度飛ぼう この糸切り裂き
自らのジェットで あの雲が 通り過ぎたら…」



私がずっとずっと16から好きだった
X JAPANのhideさんの曲
ピンクスパイダー


この世で一番好きな曲は何?
と聞かれたら
ピンクスパイダー!と
答えるくらい
歌詞も音もPVも
全てが私にとって完璧な
本当に大好きな曲





”もう一度飛ぼう
自らのジェットで”


その気持ちを自分の中に
強く強く誓い刻むために
私は足首にピンクの蜘蛛を彫った



両腕に入っている刺青は
10代の頃
”強く生きていくために”と入れた
若気の至りだったけれど

今度のは
大人になって
一度は死ぬほど墜ちた自分に
もう一度頑張れ!!!と
誓うために入れたもの

いい大人がそんなんで刺青?
と思う人もいるかもしれない

けど、こんな風に
自分の人生に意味を作らないと
子供の頃から生きることができなかった
弱い人間だったのだと
自分で思います



自分の力で
自分のジェットで
もう一度飛ぶことを

私は足首に入れた
ピンクの蜘蛛に固く誓った




そんな風に前を見始めた数日後
携帯の留守電に
知らない番号から
メッセージが入っていた



「もしもし、Sですけど
聞いたら電話ください
待ってます」



その苗字は
それまでの私の人生で
後にも先にもたったひとり・・・



私が一番荒れていた
17の時に付き合っていた
Sくんだった
波乱だった過去12(彼と暴走族と暴力団)